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元FIA会長ジャン=マリー・バレストル氏が、3月27日86年間の生涯に幕を閉じた。

http://sports.yahoo.co.jp/f1/article?a=20080331-00000001-fliv-moto



最近のF1しか観ていない人たちには、ご存知ない方も多いかと思いますが、私のように20年以上もF1を観てきた人間、特にアイルトン・セナファンにとっては、ある意味忘れられない人物の一人だろう。



1989年の日本GP。

マクラーレンホンダの2人、アイルトン・セナアラン・プロストは、ドライバーチャンピオン争いの真っ只中で日本を訪れる。

予選は、P.Pアイルトン・セナ2位にアラン・プロスト

そして決勝。

P.Pのセナはイン側スタートで、非常に路面が汚れており、レコードラインのアウト側スタートのプロストがスタート奪取に成功、1コーナーをトップで抜ける。

プロストは快調に飛ばし、一時セナに5秒以上もの差をつけた。

しかし、中盤セナが追い上げを見せた運命の47週目、130Rから加速しプロストの背後についたセナが、シケインのブレーキングでプロストのインを差す。

プロストはインを空けていたが、セナが来たところでラインを少し右に寄せ、接触。

プロストは、その場でリタイア。

しかし、同じ様にリタイアをするとプロストにチャンピオンを奪われてしまうセナは、そのまま走りつづけることを決意。

マーシャルに、マシンを押すよう指示。

マーシャルに押されることで、停まっていたエンジンも、押しがけで息を吹き返し、コースに復帰。

しかし、この時にセナは安全の為にシケインに戻らずに、エスケープロードからコースに復帰した。

セナは、その後プロストとの接触により破損した、フロントウィングの交換の緊急ピットインにも係らず、1位でチェッカーを受け、見事チャンピオンシップ争いに望みをつないだかのように思われた。

しかし、

ポディウムに現れたのは、トップでチェッカーを受けたセナではなく、2位でチェッカーを受けたナニーニ(ベネトン)だった。

FIAの裁定は、シケイン不通過による失格であった。

この裁定を下したのが、当時FIA会長ジャン=マリー・バレストル氏であった。


「あの場でシケインに戻ることは、130Rからシケインのブレーキングに入ってくるマシンに突っ込んでいく形になり非常に危険。エスケープロードから戻るのが最善であった。」と抗議を申し立てたが却下され、後日プロストのチャンピオンが正式に決定した。


ルール上から見れば、セナの失格は正当だったかもしれない、ただ私個人的には、プロストがリタイアしパドックに戻った時に、バレストル氏と2人きりでピットにも戻らずオフィシュルルームに入ったのが、非常に気に入らなかった。

ジャン=マリー・バレストル氏、非常にフランス贔屓だったのは有名な話である。

1986年のコンストラクターズ会議にて「1988年からのターボエンジンの過給圧を2.5バールに規制する」という案を緊急動議した。

この当時、ホンダの桜井総監督に対し、「(母国フランスの)ルノーはF1に最初にターボエンジンを持ち込んだのに、一度もチャンピオンになれないままF1から(一時)撤退するのに、おまえたちは何度も勝ちやがって」と発言。

これに対し桜井は「ルノーの功績は認めるが、それとチャンピオンになれるかどうかは別問題。彼らは技術競争に負けたのだからしょうがない」と反論した。

それを聞いたバレストルから「F1にイエローはいらない」という暴言が飛び出し問題になった。


と、いうこともあった。


しかし、クラッシュテストの導入など、今のF1界にそのまま導入されているものも多々ある。


私個人的には、あまり好きな人物ではなかったが、心よりご冥福をお祈りいたします。



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